旅する母と子たち(とたまに夫)の記録。

お金はないけど旅が好き。海外TV、映画などと日常の記録など。高専生、中学生の子がいます。

英国に思いをはせる

こんにちは。
最近ブレイディみかこさんの本を立て続けに読んでいる母です。

最初は「子どもたちの階級闘争」をちらっと読んで気になってた程度なんですが、「ワイルドサイドをほっつき歩け」がたまたま目について読んだら面白くて。

ブレグジットによって分断が進んでる気はしてましたが、なんとなく双方の感情について理解が深まりました。そして何より味のあるおやじたちが愛らしかったです。
(そして今度はパリでその辺のおじさま達にインタビューしてる本を借りてきてしまう始末・・・)

NHSの理想と現実

NHSの現状についてが興味深い。
Call the Midwife好きとしては「英国すげえ!NHSはすげえー!無料で至れり尽くせりでこりゃあずっとは維持できないわ」と思ってましたが、現在ここまで壊れているとは思わず。
英国ってもっと頭いい人多いと思ってた。なんでこんなに極端なのか。中間の落としどころはなかったの?と思ってしまう。
完璧ではないけど、日本の医療制度、皆保険はバランス的にはなかなかいいんじゃない、と日本を見直しました。

医師の診察受けるまでに整理券取得に朝から並んだり(病人なのにww)電話したり、電話タイミング悪けりゃ後回しになったり…からの数か月待ち。診察までの道のりが遠すぎ。
笑っちゃいけないけど酷すぎて笑うしかない。登場するおじさん達もエピソードも女性たちも面白く、おすすめの一冊。

英国の壊れゆくさまを見守る

図書館に返しに行ったら今度は「ブロークン・ブリテンに聞け」があったのでまた借りて…きっと誰か知らない人の後追いになってるんだろうな、と思いつつ。笑

こちらはすごく時代を切り取ってて、若干政治的な話があり、理解しながら読むのに時間がかかりましたが、これはこれで。
ワイルドサイドは著者の身近な地べたのおっさんたちからの英国(底辺の)日常が描かれていて、こちらはもう少し国を俯瞰して政治や経済、英国そのものの状況を綴ったもの。もちろん著者の住む地域や意見にバイアスはかかってると思いますが、面白く読めました。

生理貧困

これ、最初が生理貧困の話題で。
今年日本でもそんな話が表に出てきたなと思うけれど、2018年時点で欧米では盛り上がってたんですね(16年の「わたしは、ダニエル・ブレイク」がきっかけらしい)
正直なところ、私は生理貧困については本当に貧困問題なのかな、と思ってるふしがありスルーしがちでした。
毒親による虐待の一種でもあると考えていたので、お金はあっても買い与えない、娘に屈辱を与えたいだけの親が一定数いると思っていて。私が毒親育ちだからバイアスかかりまくり。笑
しかし生理中、ナプキンが買えなくて学校に行けなくなる子たちが一定数いるというのは衝撃でした。ランチを買うかナプキンを買うか迷うとか。
インド映画、パッドマンでもこれ21世紀の話なのか、とショックでしたが、まさか英国でもそんなに生理貧困の問題があるのか、と。

私は英国に行ったことがありませんし、移民も多く、エリアによって全く様子が違うということなので、実際の所はわかりません。
パッドマンで描かれたように、生理自体を穢れとして女性自身も困っていても話題にできない、あるいはその期間の女性を遠ざけるという考えの方もいるかも。
勿論、お金がなくてナプキンが買えないというのもあるでしょう。
映画でナプキン買うなら牛乳が買えるじゃないって言ってるけど、この本にあったランチを食べるか生理用品買うか迷う人と同じ。
日本も、きっと私が見えていないだけで、本当に困っている人が一定数いるのだろうと改めて気づきました。
どんな問題もそうですが、複数の問題が複雑に絡み合っているので、それをじっくり考えてみるいい機会になりました。

まあ、この話は最初にちらっとあるだけで、他の話の方が圧倒的に多いのですが。
ブレグジット新型コロナウイルス感染症でロックダウンした昨初夏あたりまでの英国の世相が肌で感じられておすすめです。

と、ブレイディみかこ氏をおすすめしておきながら肝心の一番有名な「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は読めてないのですが。(ずっと前から家族が買っていて家にはあるのに)
近々読みます。